近づけて本を読む理由

昨日は松江からご予約で来店いただきました。

弟さんは遠視のメガネ、小学校6年のお姉さんは本を読む距離がとても近いとのご相談。

 

お姉さんは裸眼生活(視力 右1.0 左1.0)

オートレフ値(自動測定機)

右 S-1.00 C-0.25 軸68°

左 S-0.50 C-0.25 軸156°

数値は弱度の近視と乱視。この数値が本当なら裸眼の視力1.0は見えないはずです。

 

両眼視機能測定(米国式21項目)を行い凸レンズなどを用いてピント調節の変化を調べます。

 

遠方矯正値 右1.0 左1.0

右 S+0.50 

左 S+1.00

遠視であることがわかりました。

 

ご相談いただいたように本に近いほど強い調節と寄り目を強いられるはずです。

なのになぜ本を近づけて読むのでしょうか?

実は、近点にピントを合わせるために強く輻輳(寄り目)させるという方法があります。

そのため近い距離で一文字に集中して読む癖が身についたと推測できます。

 

それを確かめるためメガネ度数を調整して読んでもらいます。

 

矯正メガネで読書するとページ全体を意識でき、力まず内容を早く理解しやすくなるとの感想でした。

 

もしもお母様が娘の本を読む姿勢に疑問を持たなければ、ご本人も遠視であることを気付かぬまま成長していたに違いありません。

 

このように測定した結果から見方の癖を推測してメガネの度数合わせをしています。

 

「1.0見えていればOK」のメガネとの違いを知っていただけたら嬉しいです。